BOU☆GINの親方
ひとりうっちゃりというサイトを管理・運営しておられるくろごまふさんがBOU☆GINをおもしろがっているので、ここは押し時である。
加藤一二三。
史上初の中学生棋士で、加藤一二三四段という漢数字の並びが話題を呼んだ。順位戦で4年連続昇級し18歳でA級入り、八段になり、「神武以来の天才」と呼ばれた。
棒銀といえば加藤先生である。角換わりの将棋でも棒銀の採用率が高いようだが、なんといっても有名なのは四間飛車に対するそれで、居飛車穴熊全盛の現代においてもなお急戦棒銀で挑み続けており、加藤先生の棒銀は特別に「BOU☆GIN」と呼ばれ親しまれ、また、恐れられている。
もちろん、BOU☆GIN以外の指し方も天才で、三間飛車や中飛車に対する急戦定跡には加藤先生の創案した仕掛けが多い。
相矢倉の将棋においても「加藤流」と呼ばれる構えがあり、攻撃に眼目をおきながらも相手の出方に合わせて変化していく柔軟性を備えている。
また、いわゆる「羽生マジック」最初の(?)犠牲者で第38回NHK杯戦で羽生の▲5二銀の妙手一発で受けなしに追い込まれた。
最近では、ねこに餌付けして起訴されている。
さてその日、新型インフルエンザを患いながらもタミフルを飲んで一晩寝たらすっかり元気になってしまった私は、将棋倶楽部24でぶるーべるべっと君をみつけたので私から声をかけた。
ぶるべ「よお、こんな時間に。ついにクビになったか?」
ホーク「いいえ、インフルエンザです」
ぶるべ「あっそ。息の根止めてやんよ」
http://www.hakusa.net/shogi/kifuup/kifu/4450.html
# ---- Kifu for Windows V6.24 棋譜ファイル ----
開始日時:2009/11/02 13:18:46
棋戦:レーティング対局室
手合割:平手
先手:bluevelvet
後手:hawk-kanpailager
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:02/00:00:02)
2 8四歩(83) ( 0:06/00:00:06)
3 1六歩(17) ( 0:06/00:00:08)
4 8五歩(84) ( 0:04/00:00:10)
5 7七角(88) ( 0:02/00:00:10)
6 3四歩(33) ( 0:02/00:00:12)
7 6六歩(67) ( 0:02/00:00:12)
8 6二銀(71) ( 0:06/00:00:18)
9 6八飛(28) ( 0:03/00:00:15)
私のBOU☆GIN対策が万全であることを知るblue☆velvet君はろっぱち☆飛さと振る。
10 4二玉(51) ( 0:04/00:00:22)
11 7八銀(79) ( 0:02/00:00:17)
12 3二玉(42) ( 0:03/00:00:25)
13 4八玉(59) ( 0:02/00:00:19)
14 5二金(61) ( 0:15/00:00:40)
15 3八玉(48) ( 0:03/00:00:22)
16 1四歩(13) ( 0:04/00:00:44)
17 2八玉(38) ( 0:02/00:00:24)
18 5四歩(53) ( 0:03/00:00:47)
19 3八銀(39) ( 0:03/00:00:27)
20 5三銀(62) ( 0:53/00:01:40)
21 6七銀(78) ( 0:16/00:00:43)
22 2四歩(23) ( 0:16/00:01:56)
△2四歩まで進み、後手の急戦BOU☆GINの可能性もなくなったので、加藤先生の話は終わりである。
23 4六歩(47) ( 0:44/00:01:27)
24 2三玉(32) ( 0:08/00:02:04)
25 4五歩(46) ( 0:08/00:01:35)
26 3二銀(31) ( 0:26/00:02:30)
27 3六歩(37) ( 0:08/00:01:43)
28 7四歩(73) ( 1:27/00:03:57)
29 5八金(69) ( 1:08/00:02:51)
30 6四銀(53) ( 2:23/00:06:20)
後手の構えは左美濃で、藤井猛という天才の出現でプロ棋戦では四間飛車に対する作戦としては絶滅した構えである。ただ、今回の先手は藤井システムの構えではないので組むことができる。
ぶるべ君は▲4五歩と大模様をとってきた。これにはひとめ4四歩と反発していきたいが、(負担にしてやる)と調子のいいことを考えた私は4筋をほうっておいて△6四銀。
31 7八飛(68) ( 0:41/00:03:32)
32 7五歩(74) ( 0:45/00:07:05)
33 5九角(77) ( 0:24/00:03:56)
34 7二飛(82) ( 2:16/00:09:21)
35 7五歩(76) ( 0:45/00:04:41)
36 同 銀(64) ( 1:15/00:10:36)
37 3七角(59) ( 0:51/00:05:32)
38 5五歩(54) ( 0:03/00:10:39)
戦いの起こる筋に飛車を回るのが振り飛車の鉄則である。私はかまわず仕掛けるが、ぶるべ君は角の大転回で後手の攻めを牽制する。
39 2六歩(27) ( 1:02/00:06:34)
40 7六歩打 ( 1:51/00:12:30)
41 4六角(37) ( 1:50/00:08:24)
42 8二飛(72) ( 3:26/00:15:56)
43 8八飛(78) ( 0:31/00:08:55)
44 8六歩(85) ( 0:08/00:16:04)
45 同 歩(87) ( 0:05/00:09:00)
46 7七歩成(76) ( 0:56/00:17:00)
47 同 桂(89) ( 0:11/00:09:11)
48 8六銀(75) ( 0:02/00:17:02)
49 7六銀(67) ( 0:41/00:09:52)
50 8七歩打 ( 0:51/00:17:53)
51 7八飛(88) ( 0:14/00:10:06)
▲2六歩~4六角。角の転回の真の狙いは次に2五歩からの玉頭の圧迫にあった。▲2五歩△同歩▲2四歩と、こんなところに歩の拠点を張られてはきゅうりかBOU☆GINになってしまう。
後手は飛車先さえ突破してしまえばと攻めるが▲7八飛で完全に受け止められてしまった。
52 7七銀成(86) ( 1:00/00:18:53)
53 同 飛(78) ( 0:02/00:10:08)
54 5四桂打 ( 0:15/00:19:08)
55 3七角(46) ( 0:42/00:10:50)
56 8八歩成(87) ( 0:07/00:19:15)
△7七銀成の突貫はBOU☆GIN的である。銀桂交換の駒損だが、続く△5四桂に期待した。
▲3七角と引かせれば2五歩の玉頭攻めを緩和できるし、駒が入れば4六に打ち込むわかりやすい攻めがあり、実現すれば4筋の伸び過ぎを咎めた格好だ。
打ち込む駒は、9九にいる。
57 6七銀(76) ( 0:38/00:11:28)
58 7八と(88) ( 0:52/00:20:07)
59 同 飛(77) ( 0:19/00:11:47)
60 8九飛成(82) ( 0:07/00:20:14)
61 7一飛成(78) ( 0:14/00:12:01)
62 9九龍(89) ( 0:28/00:20:42)
63 8一龍(71) ( 0:23/00:12:24)
64 4六香打 ( 0:34/00:21:16)
と金で香車は取れるがさらなる戦果を求めて△7八とと捨てる。飛車取りなので取るしかないが、後手は飛車の成りこみに成功した。
先手も▲7一飛成と成り込めるが、一回7四飛と桂に当てておく手があったかもしれない。▲7四飛△5三金▲7一飛成としておけば後手陣は急に頼りない格好になる。
後手は香車を龍で取って、次の4六香はみえていても先手は適当な受けが見当たらない。
65 3九金(49) ( 0:25/00:12:49)
66 3三桂(21) ( 0:52/00:22:08)
67 6五銀打 ( 0:53/00:13:42)
68 4五桂(33) ( 0:37/00:22:45)
69 5四銀(65) ( 1:17/00:14:59)
70 3七桂成(45) ( 0:20/00:23:05)
71 同 桂(29) ( 0:14/00:15:13)
先手は金をかわすよりないが、ここで△3三桂と跳ねると、なんと次の4五桂の跳躍を防ぐ手段もないのである!ハンパねぇ!!
仕方がないのでぶるべ君は▲6五銀と打って根元の桂を取りに行く。
桂を大量に渡したがこちらも角をもらったので攻めは続きそうだ。
72 9二角打 ( 0:53/00:23:58)
73 同 龍(81) ( 0:53/00:16:06)
74 同 香(91) ( 0:03/00:24:01)
75 2五歩(26) ( 0:51/00:16:57)
76 7九飛打 ( 0:51/00:24:52)
77 5九桂打 ( 0:51/00:17:48)
78 同 飛成(79) ( 0:58/00:25:50)
79 同 金(58) ( 0:03/00:17:51)
80 同 龍(99) ( 0:02/00:25:52)
81 2四歩(25) ( 0:11/00:18:02)
▲2五歩は取っても2四歩を利かされるので怖いがほうっておく。
こちらは飛車をもらって2枚飛車の攻めだ。▲5九桂と受けられたところは決め所とみて△同飛成と切ってしまう。終盤は飛、角、桂のような受けに使いにくい駒で敵陣の金を取ってしまうのがよい手になる場合が多い。
▲2四歩とついに王手まで歩が伸びてきた。
82 1二玉(23) ( 0:18/00:26:10)
83 4七歩打 ( 0:53/00:18:55)
84 2七歩打 ( 0:07/00:26:17)
85 同 銀(38) ( 0:24/00:19:19)
86 4七香成(46) ( 0:12/00:26:29)
87 4九歩打 ( 0:43/00:20:02)
88 5七龍(59) ( 0:37/00:27:06)
89 2三角打 ( 0:53/00:20:55)
90 同 銀(32) ( 0:45/00:27:51)
91 同 歩成(24) ( 0:03/00:20:58)
92 同 玉(12) ( 0:04/00:27:55)
93 2四歩打 ( 0:40/00:21:38)
94 3二玉(23) ( 0:16/00:28:11)
95 4五桂(37) ( 0:56/00:22:34)
先手は2四歩と怪しい拠点を残しておいて▲4七歩と切らしにかかる。ここで△2七歩と王手に打つ一歩が残っていたのは幸運だった。
96 3七成香(47) ( 0:22/00:28:33)
97 2九玉(28) ( 0:09/00:22:43)
98 2八歩打 ( 0:03/00:28:36)
99 同 金(39) ( 0:11/00:22:54)
100 同 成香(37) ( 0:03/00:28:39)
101 同 玉(29) ( 0:01/00:22:55)
102 3七金打 ( 0:03/00:28:42)
103 投了 ( 0:00/00:22:55)
まで102手で後手の勝ち
最後、後手に金駒がもう一枚あれば△3七成香▲2九玉△3八金(銀)の詰みがみえるが、歩でも詰むことをうっかりしたのだと思う。こうなると、藤井システムが3九玉型に構えている理由がよくわかる。
勝負には勝ったわけだが、勝つことが正義でないことを知り抜いている私はこの勝利をひどくむなしいものに感じたのである。
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